スポーツ選手の花粉症、どう対処してる?対策のコツ3つ


アスリートの約30%は花粉症に悩まされています。つらい症状を抑えるためには薬を飲みたいところですが、薬はドーピングが怖くて飲めないという方も多くいらっしゃいます。 そこで、スポーツ選手として花粉症と上手く付き合う方法について調べました。

1.花粉症はいつから始まるの?

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花粉症の原因になる植物といえば、スギとヒノキが代表的です。スギ花粉の飛散がピークを迎える3月頃になると「花粉シーズン到来」とTVなどでも話題になります。 現在の日本には、花粉症を引き起こすと言われる植物は約60種類もあるのです。植物によって花粉の飛散する時期が違うので、花粉症の症状が始まる時期は、どの植物の花粉が自分のアレルゲンなのかによって変わってきます。 アレルゲンを知るには、医療機関で血液検査を受ける方法が確実です。

また、アレルゲンをはっきり突きとめなくても、「花粉症日記」を付けることで自分の「花粉症が始まる時期」を知ることができます。自分が症状を感じる時期や症状の度合いを簡単でいいので毎日書き留めておけば、大体の傾向が分かるでしょう。

花粉症を引き起こす植物の中で、比較的患者数の多い植物の花粉飛散時期を以下にまとめました。
注釈:アレルゲンとは、アレルギー症状を引き起こす原因となる物質のことです。

樹木の花粉

春を中心に飛散し、特にスギやヒノキは背が高いこともあり風に乗って数10kmもの距離を浮遊します。

 

スギ

ピークは2月~4月で、5月くらいまで続くことがあります。関東地方をはじめとするほぼ全国各地で飛散しますが、北海道と沖縄ではほとんど見られません。

ヒノキ(ヒノキ科)

スギより少し遅く、2月から飛び始めてピークは3月中旬~4月です。

オオバヤシャブシ(カバノキ科)

3~4月あたりに飛散します。神戸の六甲山、または西日本の太平洋側で症状が見られることが多いです。

オリーブ(モクセイ科)

5月下旬~6月上旬に飛散します。小豆島、または瀬戸内地方で症状を訴える方が多いです。

ハンノキ(カバノキ科)

関東では1~5月、北海道や東北では2~6月に飛散します。

シラカンバ(カバノキ科)

4月中旬~5月に飛散します。主に北海道で多く見られる花粉症です。

草の花粉

秋を中心に飛散。草は背丈が低いので、生育場所の半径数10m内に入らなければ、かなり症状を抑えることができます。

オオアワガエリ、カモガヤ(イネ科)

5~6月と8~9月に飛散します。道端や河川敷、または牧草地に多く生えています。

ヨモギ、ブタクサ(キク科)

8~10月に飛散します。繁殖力がとても強く、全国の畑や道端、河川敷などを中心に、どこにでも生えるので注意しましょう。

2.花粉症の主な症状とは?風邪との違いはこれだ!

開け閉め

花粉症は「季節性アレルギー性鼻炎」とも呼ばれます。名前の中に「鼻炎」という言葉がある通り、花粉症の症状とは主に「鼻水」「鼻づまり」「くしゃみ」です。そして多くの場合、それに加えて目のかゆみや充血といった目の症状を伴います。その他、皮膚や喉のかゆみ、頭痛やだるさ、下痢、不眠に悩まされることもあります。

これらの症状は風邪ともよく似ているので、自分は花粉症なのか風邪を引いただけなのか判断がつかないまま過ごしている方もいるのではないでしょうか?
花粉症の対処法は風邪とは違うので、花粉症か風邪かの判断は大切です。原因不明の風邪のような症状に悩まされる方は、自分が以下の項目に当てはまるかどうかチェックしてみましょう。

心当たりはない?花粉症チェック

  • 毎年春になると、または夏から秋にかけてなど、決まった時期に体調が悪い
  • やたらと目がかゆい、充血することもある
  • 家の中より、外に出ると症状がひどくなる
  • 晴れの日や、風の強い日は症状がひどくなる
  • 家の中でも、窓を開けると突然くしゃみが出たりする
  • 家族の中に、花粉症やアトピー性皮膚炎などアレルギー体質の人がいる

以上のことに当てはまるようであれば、一度きちんと医療機関を受診して適切な診断を受けましょう。鼻の症状がひどいなら耳鼻科、目の症状が主であれば眼科に行きます。アスリートの薬について詳しい医師や薬剤師がいるところがおすすめです。ドーピング対策のことも含めて診察・薬を処方してもらいましょう。

3.花粉症の薬はドーピングになるものが多いってホント?

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花粉症の薬に含まれる成分が、ドーピング禁止リストに載っていることは珍しくありません。医師処方の薬ならそう多くないのですが、市販の薬ではかなりの数の商品がひっかかってしまいます。ですので、何の知識もなく服用してしまうとドーピング違反の危険性があることは確かです。

しかし花粉症のつらい症状の中、薬を飲まずに我慢しながらの練習は大変です。どうしても集中力が落ちてしまい、思わぬケガに繋がる可能性も高くなります。
ドーピングにひっかからない薬を使って花粉症の症状を軽減したい場合は、まずは医療機関で相談しましょう。自分がアスリートであることを説明し、ドーピング検査の禁止物質を含まない薬の処方をお願いすることです。スポーツのことに詳しい医師や薬剤師がいる病院であれば安心ですが、医師がドーピング禁止物質に詳しくない場合は、薬剤師会アンチ・ドーピングホットラインか、日本アンチ・ドーピング機構の公認スポーツファーマシストに問い合わせてもらうといいでしょう。(公認スポーツファーマシストの連絡先は、スポーツファーマシストの公式サイトで検索できます。)

また、手持ちの薬がドーピング違反になるかどうかを調べられるサイトがあります。「Global DRO」という日本アンチ・ドーピング機構が運営するサイトでは、日本を含む主要6か国で購入した薬がドーピング違反にならないかチェックすることができます

花粉症の症状は、本当につらいものです。それらの症状が薬を飲むことで抑えられれば、練習の効率も格段に上がることでしょう。ドーピング違反を恐れてやみくもに薬を避けるよりも、正しい知識のもとに処方された薬を服用して、症状を適切に抑えることをおすすめします。

次は、アスリートまたはスポーツドクターが実際におすすめしている花粉症対策についてお伝えします。

4.スポーツ選手なら知っておきたい花粉対策のコツ3つ

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それでは、ドーピングにひっかからない花粉対策とは一体どのようなものでしょうか。効果を知っているアスリートならすでに行っている、3つの対策についてお話ししましょう。

1. 症状が出る前に抗アレルギー薬を飲み始める

元スポーツドクターであり、現在は衆議院議員を務める小松裕さんは、「抗ヒスタミン剤(アレルギー症状を引き起こすヒスタミンを抑える薬)を症状が出る前(1月、2月あたり)から飲み始め、2か月程度継続する」という予防法を推奨しています。症状が出る前から飲み始めることがポイントとのこと。
そして鼻や目の症状がつらいときは、医師から処方された点鼻薬と点眼薬を使って乗り切ります。花粉症対策として処方される点鼻薬や点眼薬に含まれることの多い糖質コルチコイドは、ドーピング禁止リストに載っている成分ですが、点鼻薬や点眼薬の決められた使用量を守ればドーピング対象になる可能性は低いでしょう。
これらの対策は、医師の指導のもとで行える方法です。花粉症で病院に行ったことがない方は、これを機会にぜひ診察を受けましょう。

2. 花粉を物理的に防御する、洗い流す

プレイ中も使える花粉症用のゴーグル帽子、そして練習時以外はなるべくマスクを身につけ体を花粉から守りましょう
外出して家に着いたら玄関で全身を掃除機で吸ってから上がる、ということを徹底している方もいます。花粉除去効果のある空気清浄機なども活用しましょう。また、家に帰ったらうがい洗顔洗眼花粉を洗い流すことも大切です。鼻の症状には鼻うがいが効果的であることが知られています。

3. 体内の活性化酸素を増やさないようにする

花粉症の症状は体内の活性酸素が増えると悪化するのですが、実はアスリートのような練習の激しい運動は、活性酸素を増やす要因の1つなのです!ただでさえ体内に活性酸素を作りやすい環境にあるアスリートは、積極的に活性酸素対策をとる必要があります。例えば、食事において高カロリーなものや辛いもの、甘いもの、脂っこいものは避けてビタミンCの摂取に努めましょう。また、喫煙や大量の飲酒を控え、ストレスをなるべく溜めないようにすることも大切です。
以上のことを、花粉症の季節だけでも心がけてみてください。

まとめ

アスリートは花粉症の症状を、薬を使わずに我慢しがちです。しかし無理をすると思わぬケガのもとになるかもしれません。ドーピング違反にならない薬を使った効果的な対策をとることが可能なので、まずは医療機関で適切な診断を受けましょう!

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