【医師監修】コンビニ食でも大丈夫?! アスリートが注意しておきたい健康対策


アスリートの資本である身体を作り、維持するためには、食事と運動が大切です。しかし、仕事と練習で忙しい毎日の中で、つい食事がおろそかになってしまっているのではないでしょうか。手間も時間も省けるコンビニ食に、頼っていませんか?

食事は毎日の積み重ねです。コンビニ食でもバランスよく栄養をとり、望むようなパフォーマンスを実現するためにも、知っておくべき健康対策を医師が具体的に説明します。

 

アスリートに必要な栄養素

運動の効果を左右する条件というものがいくつかありますが、その1つは「食事と栄養」です。食事と運動とは表裏一体であり、相互に関係しながら効果を発揮します。そして運動するためには、三大栄養素(炭水化物・たんぱく質・脂質)と微量栄養素(ビタミン・ミネラル)のバランスを考えた食事が必要です。

まずは、私たちの血や骨を作る三大栄養素についてです。中でもタンパク質の摂り方にはコツが要ります。アスリートの方の中には減量しようとするあまり、肉や魚など動物性食品を極端に控える方がいらっしゃいます。しかし、動物性タンパク質が欠乏すると、肌荒れや浮腫、怪我が治りにくい、疲れやすいなどの弊害が生じやすいため、注意が必要です。豆腐などの植物性タンパク質で充分だと考えるかもしれませんが、動物性タンパク質も欠かせません。

特に普段の食事がコンビニ食などの外食中心の人は、ご飯やパン、めん類などの炭水化物のほか、菓子類や甘味飲料など糖質に偏った食生活となりがちです。糖質の摂取が過剰になると、血糖値の乱高下を招きます。これにより反応性低血糖から、倦怠感やイライラ感、不眠傾向などの体調不良を招きやすくなります。試合直前など特殊な場合を除いて、糖質の摂取は控えめにした方がよいでしょう。

また、糖質や脂質、たんぱく質などの代謝に欠かせないビタミンB群も積極的に摂りましょう。ビタミンB群は偏った食事や野菜不足、過剰なストレスなどにより消費量が増える栄養素です。ビタミンB群が欠乏すると、疲れやすさ、憂うつ感、不眠傾向、口内炎、音への過敏などの症状も現れやすくなります。疲労回復のためにも、食事でビタミンB群を補ってください。

 

コンビニ食は「おかず」をしっかり選ぼう

スポーツをしながら筋力や基礎体力を充実させ、体重を適正にコントロールし、しかも心身を健全な状態に保つためには、過不足ないカロリー摂取が必要です。なおかつ、血や肉となる栄養素を補給しなければなりません。コンビニ食を選ぶうえでも有効な食材は数多くありますが、一言でいうと「おかず」を豊富に摂取することが基本です。ついつい量を食べてしまうご飯などの主食を控えめにし、副食(おかず)をたっぷり食べるのです。

副食には、野菜や豆類、肉、卵、魚、乳製品など多くのものが含まれます。それぞれ栄養素や健康上の役割が異なるため、バランスよく食べることが望まれます。すなわち「筋肉を鍛えるために」といって肉ばかり食べるのはよくありませんし、「疲労回復に必要だ」といって野菜ばかり食べるのもアンバランスです。肉と野菜、豆類、魚などをバランスよく食べる工夫が求められます。

具体的には、セブイレブン、ファミリマートやローソンなどのコンビニで購入できるボリューミーなおかずを選ぶと、肉でビタミンB、卵でタンパク質を摂ることができるでしょう。
また、家で料理すると一手間かかってしまうような、切り干し大根の1品なども、200円前後で購入することができ、効率的にタンパク質やビタミンBを補うことが期待できます。さらに、レジ横のホットスナックコーナーにあるからあげなどで肉のタンパク質を摂ることができます。ただし、カロリーには少し注意が必要です。

いつもコンビニで選んでいるお弁当があるのであれば、ご飯の量が少ないお弁当に変更しましょう。そして、おかずを1品追加すると、栄養のバランスを取りやすくなります。

 

これならOK! コンビニで買える「間食」

小腹がすいたときやスポーツの前後に摂取する「間食」に関しても、ひと工夫が必要です。糖質の摂りすぎは肥満や体調不良に直結しますので基本的には控えるべきですが、疲れたときや運動の直前などには、つい甘いものを食べたくなることがあるでしょう。このようなときには「フルーツ」を活用しましょう。フルーツは程よい甘みがあり、ビタミンやミネラルも豊富なので、疲労回復にぴったりです。

腹持ちが比較的よく、血糖値が上がらない食品は間食としても活用できます。例えば、ピーナッツやアーモンドといった「ナッツ類」、枝豆やチーズ、ゆで卵などは糖質がたいへん少なく、ビタミンやミネラル、たんぱく質も豊富です。そこで、セブンイレブンやファミリーマート、ローソンなどのコンビニで手に入るおやつを紹介します。おつまみのイメージが強いえだ豆は、多くのコンビニでそのまま食べられる状態で売れられており、手軽にたんぱく質が摂れる優秀な食材です。塩分の摂取量には注意が必要ですが、運動の前後も含めて重宝します。

また、冷蔵コーナーにある1人分で食べるのに、ちょうどいいボリュームのカットフルーツのパックなどもおすすめです。複数のフルーツを楽しめるので、視覚的にも空腹が満たされます。
さらに、各コンビニのプライベートブランドでも展開しているクランベリーやラズベリーといったドライフルーツとナッツは、ビタミンとミネラルが摂取できるので疲労回復におすすめです。
激しい運動の前後は甘いお菓子も食べたくなりますが、ここはグッとこらえて、果物やナッツ類でとどめておきましょう。

鉄分不足になりがちな女性は、間食で鉄分を補うとよいでしょう。鉄は赤血球中のヘモグロビンに多量に含まれており、全身に酸素を運搬するうえで非常に重要な存在です。鉄欠乏になると貧血を起こすことはよく知られていますが、ほかにも息切れや動悸が強くなるなどの障害が起きやすくなります。そこで、鉄分を多く含むプルーンなどのドライフルーツを間食に取り入れると、空腹を紛らわすだけでなく栄養を補完できて一石二鳥です。

 

コンビニ、お弁当……外食時には、あと1品に気を遣って!

外でお弁当やおかずを購入する際は、既製品を1つ、2つとなんとなく選ぶのではなく、それぞれのバランスを意識することを心がけましょう。

日々練習と仕事で忙しい方は、食事を用意する時間も足りないものです。どうしてもコンビニやスーパーなどのお弁当・お惣菜を利用せざるを得ない方も多いでしょう。しかしながら、「コンビニ食」であっても工夫の余地はあります。あと1品を選ぶときには、「どんな栄養が摂れるのか」「何のために食べるのか」に注意してみてください。野菜や豆類、肉、卵、魚、乳製品の中から、特に日頃足りていないと感じるものを選びましょう。さほど空腹でない場合は、野菜ジュースや豆乳などでも栄養素を賄うことはできます。疲れやすい人は、もう1品でさらにビタミンB群を重点的に摂取するといいでしょう。

 

まとめ

日常診療においても、アスリート以外の方々も健康なうちに体力や筋力をつけ、骨を丈夫にするような運動に取り組む方が増えていると感じます。日々の練習や運動はもちろん大事ですが、同時に「食事と栄養」に注意して心身ともに健康な毎日を過ごしていきましょう。

 

この記事の監修

医師 吉野 真人(よしの まさと)

1962年、岩手県生まれ。
山形大学医学部卒業後、県内の複数の病院で、内科医として通算18年間勤務。
この間に、薬や医療に依存するのではなく、「自然治癒力」の重要性を認識するに至り、
積極的にコーチングやアロマセラピー、整体などを学ぶ。2007年には病院を退職して上京、
ヘルスデザインを設立し、代表を務める。2011年11月、蒲田よしのクリニック開業

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