初心者でも簡単に宙返り体験!ラートってどんなスポーツ?


大きな輪と一緒にゴロンッと回転するダイナミックさがたまらない「ラート」。難しそうに見えますが、実は初心者でも比較的取り組みやすいスポーツなのです。海外では有名な競技で世界大会も開催されていますが、一体どんなスポーツなのでしょうか?

世界が回る!ラートってどんなスポーツなの?

ラートは、直径が選手の身長 より30~40cmも大きい鉄の輪とともに回転をしたり、器械体操のような動きを行ったりする競技です。人間が大きな輪にすっぽりと入り、大の字のような格好で転がる様子をテレビで見たことがある方もいるのではないでしょうか。
日本国内のラートの競技人口は、現在300人を超す程度。まだ知名度が高いとは言えませんが、ヨーロッパなどでは大きな人気を集めているスポーツの1つなのです。

ラートはドイツで生まれたスポーツですが、もともとはこどもの遊具として開発されたもの。大きな鉄製の輪2本を、6本の短い鉄のバーで平行につないだ用具を使います。大きな輪につかまって一緒に回転すれば、宙返りなどアクロバティックな動作が簡単に体験できるのが大きな特徴です。派手な見た目から想像するよりもずっと安全で初心者でも気軽に始められるため、こどもから障がい者まで幅広い層に対応でき、生涯スポーツとしても期待されています

またラートは見た目の華やかさから、シルク・ド・ソレイユを始めとするショーやサーカスの舞台でもよく用いられています。ラートを使ったパフォーマンスを世界で披露している「ラートパフォーマー」と呼ばれる人々もおり、ラートというスポーツにはアートな一面もあることが分かります。

また、ラートは他のポピュラーなスポーツと比べて、世界に手が届きやすい競技スポーツかもしれません。ラートの大きな大会には、年に1度開催される全日本選手権大会、そして2年に1度開催される世界選手権大会があります。日本は世界で2番の実力を持つラート強豪国なのですが、実は、世界大会に出場するほどの実力を持つ日本人選手のほとんどが、大学に入ってからラートを始めているのです。つまり大人になってからラートを始めても、トップレベルの選手になれる可能性があるということです。
日本人が得意である明確な理由はよく分かっていませんが、ラートの器械体操的な性質が、器械体操が得意な日本人の体質に合っているのではないかという説もあります。
他の競技では「世界トップクラスの実力を持つ選手」と聞くと、こどもの頃からトレーニングを積まないとなれないイメージがありますが、ラートの世界では大人になってから始めても遅くないようです。

ラートの競技種目は主に3種類

ラートの競技会は男女別に行われ、競技種目は直転・斜転・跳躍の3種目です。また個人戦の他に団体戦もあり、団体戦の世界選手権大会である「世界ラートチームカップ」も開催されています。

直転

ラートの基本となる種目で、2本の輪を地面に着けた状態で、車輪のように回転させながら動作を行います。選手がラート上で重心を移動させることによって、回転の速度調節や停止などのコントロールが可能です。

直転競技の基本動作は、「中心系」と「周辺系」に大きく分けられます。中心系は身体がラートの中にある動作であるのに対し、周辺系は身体がラートの外あるいは周辺にある動作のことを指します。ちなみに「下り技」とは、ラートの周辺技から飛び降り、ラートの外で立位の姿勢を取る動作のことです。
これらの動作を組み合わせた技のバリエーションは150種類近くにもなります。

斜転

ラートの片方の輪だけを地面に着けて回転する種目です。転がるコインが停止する前のように、斜めに回転しながらの動作になるためバランス感覚を取ることが難しい種目で、まずは直転の動作に慣れてから斜転の動作を練習する流れが一般的です。

斜転の基本動作は、ラートの床に対する傾斜角度によって大きく2つに分けられます。傾斜角度を60度に保って回転をする運動が「大斜転」、傾斜角度を30度に保って回転をする運動が「小斜転」です。これらの角度で回転しながら中心系または周辺系の動作を行い、斜転の技のバリエーションは50種類近くになります。

大斜転では、ラートの描く軌跡がラート本体より大きくなります。回転を維持するためには、重心の移動テクニックが重要です。
一方の小斜転では、ラートの描く軌跡がラート本体より小さくなります。回転し続けるためには、ラートを押したり引いたりの力加減が大切になります。

跳躍

身体がラートの外にある状態でラートを転がして、助走をつけて飛び乗り、そして飛び降りる種目です。飛び降りる際に宙返りや回転を入れる技があります。着地点にはマットが敷かれ、器械体操に似た雰囲気の競技となります。

ラートには級がある。「ラート検定」とは?

ラートには、日本ラート協会が認定する「ラート検定」という検定があります。
直転、斜転それぞれ5級から1級まで
あり、それぞれの級で最大8項目の規定演技が決められています。その規定演技を検定の場で演じ、技ごとに決められた基準をクリアしているかどうかを判定して合否を決定します。一番難易度が低いのが直転5級なので、初心者はまず直転5級合格を目指して練習するという流れが一般的です。
ちなみに、跳躍には級認定がありません。

この検定でどの段階の級を取得しているかによって、大会に出場できるかどうか関わってくる場合があります。国内で一番大きい大会である「全日本ラート競技選手権大会」は、ラート検定で直転・斜転ともに3級以上を取得していないとエントリーできません。他にもワークショップの参加基準に、ラート検定での取得級数を問われることもあります。

ラートの代表選手ってどんな人?

世界でもトップクラスの好成績を収めている日本のラート選手。男性も女性も、世界選手権で数々のメダルを獲得しています。

男子は、高橋靖彦選手田村元延選手が2016年にアメリカで開催された世界選手権で、個人総合部門の2位・3位を獲得、表彰台入りを果たしています。
特に高橋靖彦選手は、2013年、2015年の世界選手権で優勝しています。それまで、発祥国であるドイツ人選手の独擅場であったラートの世界で、日本人男子初の個人総合優勝を勝ち取った選手です。現在も全日本選手権では個人総合部門5連覇中。高橋選手は機能性ゼリー飲料のテレビCMに出演したこともあるので、見たことがある方も多いのではないでしょうか。

女子では堀口文選手松浦佑希選手が注目されています。日本国内では松浦選手が2012年度から4年連続で個人総合部門1位を獲得しましたが、2016年度には堀口選手が1位、松浦選手が2位という結果になっています。
世界選手権では、堀口選手が2016年に個人総合部門で5位に入賞しました。これは日本人としては歴代最高の順位です。19歳でラートを始め、2年後には日本代表に選ばれるなど、輝かしい経歴を持つ堀口選手。過去にアキレス腱断裂という大きなケガを経験するも「自分を客観的に見直すいい機会」とポジティブに捉えて乗り越え、現在もトップクラスの実力を保持し続けています。

「やってみたい!」ラートはどこで体験できる?

ここまで読んでみて「是非一度ラートを体験してみたい!」と気持ちが盛り上がってきた方も多いのではないでしょうか?そんなあなたのために、初心者でもラートが体験できる方法についてご紹介します。

まずは、ラートを導入しているスポーツ施設が近くにないか探してみましょう。
ラートは、日本中の大学や公共体育館などで取り入れられています日本ラート協会の公式ホームページに導入先が紹介されているので調べてみましょう。

また、日本ラート協会で定期的に開催される実技講習会に参加するのもおすすめです。講習は2日間かけて行われ、級の認定も行われています(別途料金が発生します)。開催場所は毎回変わりますが、首都圏が多い様子。詳細は日本ラート協会の公式ホームページに掲載されています

まとめ

ラートはアクロバティックな非日常運動を簡単に体験できるスポーツです。生涯スポーツとしても取り組めますし、本格的に練習すればトップクラスを目指すことも可能。WEB上に競技の様子を映した動画があるので、どんな競技なのか是非一度見てみてください。