瞬き禁止!? 雪上のエクストリームスポーツ「ビッグエア」に注目!


冬のスポーツをしない人はあまり馴染みがないかもしれませんが、雪上のエクストリームスポーツとして世界中でファンを熱狂させているのが、この「ビッグエア」。日本では大会の開催もまだまだ珍しく、テレビ中継なども少ないためあまり目にする機会がありませんが、一度見ればその迫力に圧倒されるはず。どのようなルールや技があるのか、また他のスノーボード競技との違いなども紹介します。

そもそも「ビッグエア」とは 

地上からの高さ30~40m、最大斜度40度ほどのノルディックスキーのジャンプ台のような斜面を滑り降り、踏み切って宙を舞い、空中でのトリック(技)を披露するのが「ビッグエア」。1回のみのジャンプによる技の難易度、完成度、高さ、着地により得点を競う競技です。キャンプ台のサイズにもよりますが、現在は男子のトップ選手となると、縦4回転&横5回転の融合技(クワッドコーク1800)が飛び出すほど。

世界最高峰の賞金大会「Xゲーム」の種目として北米の若者を中心に人気のスポーツで、日本人選手も世界のトップクラスで活躍中です。

 

重要な鍵となるトリック(技)

トリック(技)の難易度は、スコアを左右する重要な要素。下記の要素が組み合わされて、トリック(技)は構成されます。

スピン

トリック(技)の要とも言える回転数のこと。ビッグエアでの回転数は、半回転の180度ずつ増えていき、それぞれ通称名で呼ばれることが多いです。(例)2回転半⇒900度/通称:ナイン、3回転⇒1080度/通称:テンなど

回転方向

進行方向に対して体を開いて回っていく、「フロントサイドスピン」と、その逆で進行方向に対して振り向いて、背中側から回っていく「バックサイドスピン」の2つの回転方向があります。「バックサイドスピン」の方が回転数を増やすのが難しく、難易度が高いと言われています。

スイッチスタンス

スノーボードにはスタンス(利き足)があります。自分の滑りやすい方向のメインスタンスと、その逆向きに滑るスイッチスタンスです。スイッチスタンスからのトリック(技)の方が難易度は高く、得点もアップします。一昔前までは横軸の回転数のみで競われていましたが、ここ数年で進化し、横軸プラス縦軸の回転が加わった「トリプルコーク1620」や「クワッドコーク1800」など、いわゆる”3D系”と呼ばれる技が主流になっています。

 

どんな採点基準 がある?

採点競技の「ビッグエア」ですが、どのような基準で採点されるのでしょうか?

技の難易度

回転数が多ければ難易度が増すのでスコアがアップするのはもちろん、メインスタンスから逆スタンスに変えてのスイッチテイクオフ(飛び出し)またはランディング(着地)、フロントサイドまたはバックサイドでの回転方向、ボードのエッジを手で掴む「グラブ」の際に、どちらの手でボードのどこを掴むかなどにより全体的な難易度が変わり、スコアに大きな影響を及ぼします。

技の完成度

「財団法人 全日本スキー連盟/スキー競技規則」に記載のルールによると、「テイクオフ(飛び出し)からランディング(着地)まで全トリック(技)の間、コントロールを維持しなければならない」とされており、 トリック(技)を完璧かつ自在に操れること=完成度として採点されます。プラスαとして、トリック(技)の高さや距離、空中姿勢などがジャッジの対象となります。

高さ

上記規則では「高さが単なる“大きさ”ではなく、キッカーの“スイートスポット(安全に着地できる部分)”で決めるランディングトリック(着地技)である」とされており、空中で良い軌道を描き、かつ安全に着地できることが“良い高さ”としてジャッジされます。

ランディング(着地)

全トリック(技)の最後の部分で、とても重要なパート。いくら空中でのトリック(技)が成功しても、ランディング(着地)が失敗すると大きな減点となりスコアは伸びません。失敗の中にも、軽く手をつく小さなミスから、ボードが最初に雪に接地しない(=身体から着地)といった大きなミスまで減点にも基準があります。

ジャッジは、100点満点をベースに上記のジャッジ基準に基づいて選手のパフォーマンスを評価。大会によって異なりますが、多くの場合は6名制のジャッジで、最も高いスコアと最も低いスコアを除外した、4名の平均がスコアとなります。予選は2回演技→高い方のスコアが採用され順位が確定、決勝は3回演技→高いスコアの2回分の合算で最終順位が決まります。

 

他のスノーボード競技 との違いは?

「ビッグエア」はスノーボード競技の一種。その他にも「ビッグエア」似た要素もありながら異なるスノーボード競技があります。その違いを見てましょう。

スロープスタイル

手すりの形をしたレール、箱型をしたボックスなど人工的に作られた様々な障害物とジャンプ台で構成されたコースで行われる競技。選手はコース上のいくつかの障害物をその都度自分で選択し、アクロバットな技を見せながら、独自のラインで滑走。そして3、4箇所あるジャンプで「ビッグエア」でのようなトリック(技)を見せます。タイムは成績に関与せず、技の全体の印象や高さ、難易度、完成度、多様性、流れなどの観点から採点され順位が決まります。「ビッグエア」が一発勝負で大技を繰り広げるのに対して、「スロープスタイル」は障害物を使った空中技が見られ、ジャンプも3、4回あるのが特徴です。

ハーフパイプ

その名の通り、パイプ(円柱)を半分にカットしたような形の斜面を振り子のように右へ左へと滑りながら、左右の壁を使ってジャンプを繰り返す競技。 ジャンプの高さと繰り出す技の難易度、完成度で競います。5、6回ほどのトリック(技)を決めますが、シンプルなジャンプから斜め回転を連続で行う3Dトリックなど多彩。「ビッグエア」がジャンプ台を使って斜め前に飛び出す感覚に対し、「ハーフパイプ」は壁を使って真上に跳んで高さを出しながら高速回転をするのが一番のポイント。

「ビッグエア」や「スローブスタイル」、「ハーフパイプ」はそれぞれ専門で行う選手以外に、競技の枠を超えて掛け持ちで行う選手も多く、これらのスノーボード競技は技術的には似ている部分が多いのかもしれません。

 

まとめ

いろいろなスポーツ観戦がありますが、「ビッグエア」は一回飛んでトリック(技)を一つ見せるのみなのでとてもシンプルで分かりやすく、その潔さもカッコイイ! わずか数秒で決まる競技なので瞬き禁物です。ぜひチェックしてみてくださいね。

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