「スピードスケート」と「ショートトラック」の違い、ご存知ですか?


世界のトップレベルにある日本のスケート競技の数々。中でも「スピードスケート」と「ショートトラック」の違い、みなさんは分かりますか? トラックの大きさが違うことはご存知かもしれませんが、その他にもルールや使う用具などにもさまざまな違いが存在しています。スケートシーズン真っ只中の今、その違いを知っておけばスポーツ観戦もグッと楽しくなるはずです!

 

使う道具が異なっている!

スケート競技の中で一番の要となる「スケート靴」。それぞれの競技で見た目は似ていますが、大きく違っている部分があります。また「ショートトラック」には、着用が義務づけられている防具も。

スケート靴

スピードスケート

氷を蹴った時に、かかとの部分がブレードから離れる「スラップスケート」が主流。ブレード(刃)はバネ仕掛けになっていて、キックした後にかかと部分のブレードは靴本体方向へ戻る仕組みになっています。この「スラップスケート」は、かかとが上がっても氷からブレードが離れず、長く力が伝わり効率良く前へ進むことが可能。ブレードと靴が近い(=低い)のが特徴です。

ショートトラック

トラックが小さく、急カーブの多い「ショートトラック」のスケート靴は、身体をギリギリまで倒しても靴の部分が氷に接しないよう、ブレードと靴が離れている(=高い)のがポイント。つま先もかかともブレードは固定された、従来型の「ノーマルスケート」靴になります。転倒の多いショートトラックでは、刃へ接触すると危ないので「スラップスケート」の使用は禁止とされています。
また、左回りの急コーナーを滑走するため、ブレードは靴の中心より少し左側にずらして取り付け、カーブを回りやすくするなど、選手によってブレードの位置を微調整しています。

防具

スピードスケート

ショートトラックのような防具の着用義務は特になし。タイムトライアルのため、空気抵抗となるようなものは身に付けず、ユニフォーム1枚で滑ります。

ショートトラック

身体の接触も多く、”氷上の格闘技”と呼ばれるほど激しいショートトラックのレースは、安全対策とルールを守ることが最重要。選手は安全防具として、ヘルメット・手袋・ネックガード・膝当て・肘当て等の着用が義務づけられおり、これらに不備がある場合は失格となるなど、厳しいルールが設けられています。

 

見分けが簡単なトラックの違い

見た目にも分かるトラックの大小はもちろん、コースの使い方にもそれぞれ特徴があります。

トラックの大きさ&コースの使い方

スピードスケート

〇 トラック:1周400mのダブルトラック
〇 コースの使い方:2名の選手が1組でレースへ。スタートした後、1周ごとに交差区域(バックストレート)で、内側と外側のレーンを交換して滑走しなければなりません。

ショートトラック

〇 トラック:1周111.12m
〇 コースの使い方:4~6人の選手が一斉にスタート。決められたコースはなく、ひとつのコースを全員が滑走。

 

競技方法&ルールの違いは?

使う道具やトラックの大きさなど、さまざまな違いを見てきましたが、競技方式やルールも大きく異なります。

競技方法&主なルール

スピードスケート

タイムを競うレース。ブレードの一部がフィニッシュラインを通過した瞬間のタイムで順位が決定。
〇 スタート時に、個々の選手の回数に関係なく2回目のフライングを犯した選手が即失格となります。
〇 交差区域(バックストレート)では、外側レーンからカーブを出てくる選手が常に優先。内側から出る選手はその進路を妨げてはならず、妨害したと判断された場合は失格処分に。

ショートトラック

〇 各レースでの順位による勝ち抜き方式。原則として4人(500m、1000m)および6人(1500m)が同時にスタートして順位を競います。ブレードの一部でもフィニッシュラインを横切ればゴールと認定されます。
〇 レース中の追い越しはいつでもどこでも可能。しかし、追い抜く際に前の選手を押す、あるいは引っ張るなどの妨害行為をすると失格になり、次のラウンドには進めません。基本的に追い抜く側の選手に責任がありますが、追い抜かれそうになった選手が故意に妨害をしたと認められた場合も失格の対象に。
〇 自らに非がなく、別の選手の転倒に巻き込まれた場合などは、「救済措置」が適用され、次レースに進出できることがあります。
〇 滑走中、コーナーなどでトラックの内側に手を付いてもOK。ただし、スケートのブレード部分がトラックの外側にあることが前提になります。

 

それぞれの魅力を分析!

このように、“氷の上を滑る”ということ以外は、違う競技性を持っています。

スピードスケート

〇  “誰が一番速く滑れるか”の純粋なタイムトライアル。
〇 タイムトライアルゆえ、自分との戦い。肉体面とともに精神面もレースに大きく影響します。
〇 陸上よりも速いスピード感が楽しめます。

ショートトラック

〇 狭いトラックで複数の選手が滑るので接触による転倒も多く、ゴール直前の最後の最後まで何が起こるかわからないスリリングな展開の連続。最下位だった選手が先頭集団の転倒により大逆転で1位になるといった、”運”が味方する場面も多く見受けられます。
〇 急カーブの連続のため、「スピードスケート」以上のコーナリング技術が必要と言われています。氷上に手を付き、身体をギリギリまで倒し絶妙なバランスを保ちながら行う巧みなコーナーワーク。これが見られるのも「ショートトラック」ならでは。
〇 密集での駆け引きや、抜きつ抜かれつのレースが楽しめます。

 

まとめ

これからも日本勢の活躍が期待されるスケート競技。「スピードスケート」と「ショートトラック」は似ているようで、全く異なる魅力を備えています。ぜひ、それぞれの熱い戦いに注目してみてください!

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