3週間で国内一周! 世界最高峰の自転車ロードレース「ツール・ド・フランス」の魅力


毎年7月、約3週間の日程でフランス国内および周辺国を舞台に行われる、自転車ロードレース「ツール・ド・フランス」。 日本人選手の出場が少なく、大々的にテレビ中継もされていないため、日本では知名度がさほど高くはないかもしれません。しかし、世界では絶大な人気を誇るスポーツの1つであり、沿道の観客数1,200万人、レースの模様は世界190カ国以上で中継され、のべ35億人が視聴するとも言われています。そこで今回は、「ツール・ド・フランス」の歴史やルール、楽しみ方などをわかりやすく解説します。開催105回目を迎える今年(2018年)は、7/7~29に開催されるので、ぜひ注目してみてください。

「ツール・ド・フランス」とは?

すべてのサイクリストの憧れと言っても過言ではない「ツール・ド・フランス」。1903年から始まったこのレースは100年以上の歴史を持ち、自転車ロードレース人気の高いヨーロッパでは、サッカーワールドカップ、オリンピックと並び、“世界三大スポーツ”にも位置付けられている世界最大級のスポーツイベントです。

23日間(休息日2日を含む)の日程で行われ、総走行距離約3,500km、高低差2,000m以上という起伏に富んだコースを走破。その総合タイムを競います。1日の走行距離が約200km前後の日がほとんどなうえ、アルプスの険しい山岳地帯がコースに含まれていたり、タイムトライアルがあったりと、体力とスピードを要するとにかく過酷なレースです。

選手は個人ではなくチームで参加します。 例年、ロードレース界のトップカテゴリー「UCI(国際自転車競技連合)ワールドツアー」に参戦するラインセンスを持つ「UCIワールドチーム」の全チームと、その下の第2カテゴリーで活動する「UCIプロコンチネンタルチーム」の中から主催者推薦で招待された数チームの計20~22チーム(9人編成)が出場。

チームといっても、駅伝のようにリレー形式ではなく、約200人の選手が一斉にスタートし、個人タイムを競います。一見すると、マラソンのようにそれぞれが優勝を狙う個人競技に見えますが、実際にはチームで一番強いエースを勝たせる団体競技としての側面があるのも見どころの一つ。

エース以外のチームメイトは、ペースメーカーとなったり、交代で風除けとなってエースの体力温存を図ったりとサポート役に徹します。“チーム内から総合優勝の選手を出すこと”がサポート役の選手たちのモチベーションでもあり、目指す頂点ともなるのです。 それぞれの選手がチームの勝利のために自己犠牲をいとわない姿は感動的で、勝敗の行方以外の部分でもレースの魅力を高めています。

2018年は全22チーム(各チーム8人編成)計176名で競われます。前年より各チーム1名ずつ減っているため、どのようにレースへ影響するかにも注目が集まります。

 

複数日で競う「ステージレース」

自転車ロードレースには、1日(1レース)で優勝者が決まる「ワンデーレース」と、複数日(複数のステージ)に渡ってレースを開催する「ステージレース」があります。

「ツール・ド・フランス」は、23日間で全21ステージを走破する「ステージレース」で、各日ごとに「ステージ」と呼ばれるさまざまなレースを行って順位を決定し、最終的に全ステージのトータルの所要時間で総合優勝を争います。それぞれの「ステージ」は、 平坦ステージや山岳ステージ、タイムトライアルステージ(個人、チーム)と多彩なステージレースで構成されています。なお、各ステージでケガや体調不良などでリタイアしたり、制限時間内に完走できなかったりした場合は、次のステージ以降参加できなくなるという厳しいルールが設けられています。

毎年、最終ステージはパリ・シャンゼリゼ大通りがゴール地点。最終日のレースは一部のスプリンターを除き、総合タイムを争わない慣例があり、世界最高峰のステージレースを最後まで走り抜いた選手たちの“凱旋パレード”という色合いが強いのが特徴です。 「シャンパン片手にゆっくり走行…」というシーンも見られ、観客も含めたお祭りのような楽しさを味わえます。

 

サイクリストの憧れ「マイヨ・ジョーヌ」

「ツール・ド・フランス」には、各ステージでゴールを競う「ステージ優勝」と、全ステージのトータルタイム(合計所要時間)で競う「個人総合優勝」があります。どちらも重要ですが、最大の栄誉とされるのは「個人総合優勝」です。

各ステージを終えるごとに、ツール初日からの合計所要時間が最も少ないトップの選手が、「マイヨ・ジョーヌ」と呼ばれる黄色いジャージを着用する権利を獲得。“現時点での個人総合1位”として次のステージで、この黄色いジャージを着て走ることができます。 そして、最終ステージ(パリ・シャンゼリゼ通りの最終日のレース)でゴールした時点で、「マイヨ・ジョーヌを着る権利を手にしている選手」がすなわち総合優勝者となり、真のチャンピオンとして歴史に名を刻みます。

“勝者の証”でもあるこの黄色いジャージに1日でも袖を通すことは、選手にとって大変名誉なこととされており、すべてのサイクリストの憧れでもあるのです。

 

レースの楽しみ方は?

世界トップクラスの選手たちによる熱き戦いが約3週間も見られる「ツール・ド・フランス」。楽しみ方のポイントはどのような所にあるのでしょうか?

各チームの駆け引きを読み解く

実力のある強いチームは総合優勝を目指しますが、やや力の劣るチームはステージ優勝のみをターゲットに予想外の動きをするなど、チームはそれぞれに戦略を立てて駆け引きを行います。ただ漠然と観るだけではなく、各チームの狙いを感じ取りながら勝負どころを見極めたり、自分でレース展開を予想してみたりすると面白さがアップします。

コースの違いで大きく変化

平坦ステージ、山岳ステージ、タイムトライアルと、それぞれ見どころや観戦ポイントが異なり、また活躍する選手もコースによって変わるので、日々違った見応えがあります。近年は、タイム差が付きやすい山岳ステージに強い選手が「マイヨ・ジョーヌ」を狙える選手と言われているので、ぜひ注目してみてください。

美しい景色・名所を堪能

白熱したレース展開のみならず、まるで絵はがきを見ているような美しい景色を堪能できるのも魅力です。フランス国内の有名な観光地や名所のほか、雄大なアルプスの山々、今まで知らなかった古城や街並みなどがふんだんに紹介され、まるで自分もフランスを旅しているような感覚を楽しめます。

 

まとめ

日本でも、ロードバイクやマウンテンバイクなど、「スポーツサイクル」の人気が高まってきていることもあり、今後「ツール・ド・フランス」も、より注目度がアップされていくかもしれませんね。35億人が熱狂する一大イベント、あなたもぜひチェックしてみてください!