体重の2倍以上を持ち上げる?! 身体・精神の鍛錬が欠かせない「ウエイトリフティング」


2020年の東京オリンピックでも正式競技として行われる「ウエイトリフティング」。全身のすべての力を使って重いバーベルを持ち上げる様子は、観ているこちらまで思わず力が入ってしまいますよね。そんな「ウエイトリフティング」ですが、近頃は競技としてだけでなく、健康的で鍛えられた“美ボディ”を保つためのトレーニングの一環として、芸能人やモデルなどを中心に取り入れる女性が増えています。今回は、競技としての魅力から、健康維持のためのトレーニングとして行う「ウエイトリフティング」のトレンドまで、幅広くご紹介します。

「ウエイトリフティング」とは

ウエイトリフティング」は、いわゆる「重量挙げ」と呼ばれて親しまれている競技。ウエイトリフティングには、床に置かれたバーベルを両手で握り一気に頭上まで持ち上げて立ち上がる「スナッチ」と、第一動作で床からいったん鎖骨の位置までバーベルを引き上げ、第二動作で頭上に持ち上げる「クリーン&ジャーク」の2種目があります。最初に「スナッチ」を3回、その次に「クリーン&ジャーク」を3回試技を行い、成功した最高重量の合計で競われます。

バーベルを持ち上げるのは、ほんの一瞬です。日ごろのトレーニングで鍛え上げられた筋力や磨き上げられたテクニックはもちろん、スピード、集中力、気合い、これら全てを短い時間で最高の状態に引き上げ、一瞬の爆発力を生み出します。こうして生まれた力により、トップ選手になると、自分の体重の2倍以上もの重量を持ち上げることができます。パワーだけでなく、肉体をコントロールする精神力の鍛錬も「ウエイトリフティング」には重要な要素となっているのです。

 

細かい競技ルールをチェック!

どんな体勢になってもバーベルを持ち上げればOKというわけではなく、最終的に“持ち上げることに成功した”とジャッジされるまでには、細かなルールがあります。

主なルール

■ 選手がコールされた後、1分以内に試技を行ない、バーベルを離床させなければいけない。
■ バーベルを持ち上げる時、両足の足裏以外がプラットフォームに触れると失敗。
■ バーベルを持ち上げる際にうまくコントロールできずよろけるなどして、プラットフォームの外に足が出ると失敗。
■ 両腕の伸び方の不均衡、肘の曲げ伸ばしが認められると失敗。
■ 持ち上げた後、両足を結ぶ線と胴体、バーが平行になった状態で、レフリーが合図をするまで静止が必要。合図より前にバーベルを降ろしてしまうと失敗。
■ レフリーの合図後にバーベルを降ろした際、バーベルがプラットフォームの外に最初に触れると失敗。

これらのルールをクリアして始めて成功と認められ、持ち上げた重量が記録となります。「スナッチ」→「クリーン&ジャーク」の順番でそれぞれ3回の挙上を行いますが、「スナッチ」の段階で3回連続の失敗をした場合は失格となり、「クリーン&ジャーク」に進むことができません。

 

「パワーリフティング」について

「ウエイトリフティング」と同様に、「パワーリフティング」という言葉もよく耳にしませんか? ただ、その違いがはっきり分からない人も多いですよね。どちらもバーベルを使った競技ではあるものの、動作に違いがあります。

ウエイトリフティング

前述したとおり、「スナッチ」と「クリーン&ジャーク」の2種目で構成。どちらもバーベルを頭上まで持ち上げることが必要。

パワーリフティング

バーベルを肩に担いで屈伸を行う「スクワット」、ベンチに寝た状態でバーベルを胸の上に押し上げる「ベンチプレス」、床からバーベルを腰まで引き上げて直立する「デッドリフト」の3種目での合計重量を競うスポーツ。いずれの種目も、バーベルを頭上まで持ち上げることはありません。

「ウエイトリフティング」は筋力とともに、バーベルを頭上まで引き上げるテクニックも必要なのに対し、「パワーリフティング」は、シンプルに筋力のみで競うスポーツといえるかもしれません。また「パワーリフティング」は、この3種目でほぼ全身の筋力が鍛えられることから「筋トレBIG3」と呼ばれ、競技としてだけでなくウエイトトレーニングの基本種目として取り入れられているのも特徴です。

そんな「パワーリフティング」はオリンピックの正式種目ではありませんが、パラリンピックの正式種目に採用されています。パラリンピックにおける「パワーリフティング」は、「ベンチプレス」のみが行われています。主に、下肢に障がいのある選手が対象で、各選手が3回の試技を行い、最重量を挙上した選手の勝利となります。障がいの種類や程度によるクラス分けはなく、体重別に男女各10階級ずつで実施。下肢の一部を切断している選手は、切断の程度に応じて選手自身の体重に一定の重さを加算した重量で分類されます。

 

今、話題の「クロスフィット」とは?

「ウエイトリフティング」や「パワーリフティング」は、バーベルを使い筋力を競うスポーツですが、近頃は「クロスフィット」と呼ばれるトレーニングにも、このバーベルやダンベルを使った運動が取り入れられています。

「クロスフィット」とは、歩く・走る・起き上がる・拾う・持ち上げる・押す・引く・跳ぶなどの日常生活で行う動作をベースに、単一の筋肉を鍛えるのではなく、高強度の全身運動として行うトレーニングのこと。心肺持久力・スタミナ・筋力・柔軟性・パワー・スピード・連動性・俊敏性・バランス・正確性の10 種類の基礎的身体能力をトータルで向上させることを目標として、日常生活に役立つ筋肉を中心に鍛えるのが特徴です。

日常生活上でのパフォーマンスアップが期待できることはもちろん、ほどよく筋肉の付いたメリハリのあるボディ作りが可能とあって、芸能人やモデルをはじめ、今、多くの女性から注目されているトレーニングです。この「クロスフィット」でも、基礎的な筋力を高めるためにバーベルやダンベルを使用した「ウエイトリフティング」が重要なワークアウトとして採用されています。

今後は、筋力を競ったりアスリートの筋力強化メニューに採用されたりするだけでなく、美容目的として「ウエイトリフティング」が取り入れられることで、女性にとってもより身近なものになっていくかもしれませんね。

 

まとめ

ただ力を使うだけでなく、強い精神力を伴いながらバーベルを持ち上げるという、奥の深い競技でもある「ウエイトリフティング」。観戦するだけではなく、スポーツジムやクロスフィットジムに行けばチャレンジできますよ。鍛えることで少しずつ身体の変化を感じられるだけでなく、精神力・集中力も鍛えられるのが「ウエイトリフティング」の魅力。ぜひ挑戦してみてくださいね。