セカンドキャリアが見えてくる自己分析の方法とは?


引退後のセカンドキャリアを意識はしているものの、具体的なものが見えてこないという人も多いのではないでしょうか。具体的なイメージを持つために欠かせないのが自己分析です。そこで、セカンドキャリアを考えるヒントとなる自己分析の方法をご紹介します。

そもそも自己分析って何のこと?

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自己分析とは、読んで字のごとく、自分で自分自身について分析することです。わかっているつもりでも、実はあまり把握できていないのが自分自身のこと。その証拠に、「あなたはどういう人間ですか?」「あなたの長所は何ですか?」「自己PRをしてください」などと質問されると、躊躇してしまう人が多いのではないでしょうか。

日本人の国民性として、「礼儀正しい」「謙虚」ということがよく言われます。これは決して悪いことではないですが、その反面、自分を売り込む、自分らしさを前面に出す、ということを苦手としている人が多いのも事実です。 しかし、スポーツ選手は、これまで数々の競争や勝負に勝ってきたという実績を持っています。それはある意味、自分らしさを前面に出してきたとも言えるでしょう。ですから、自己分析がしっかりとできていれば、自分を売り込むことも思ったより難しくはないはずです。

自己分析は、セカンドキャリアを考える上で必要なだけでなく、就職活動にも欠かせない要素です。さらにセカンドキャリアをスタートさせ、実際に仕事をしていく上でも必ず役に立つと言えるので、方法をしっかりと押さえておきましょう。

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「Will・Can・Must」の3つの要素を覚えよう!

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自己分析のフレームワーク(骨組み・方法)はいろいろありますが、今回は、「Will・Can・Must」を用いた方法をご紹介しましょう。
「Will」「Can」「Must」は、就職活動やビジネスのノウハウ本に頻繁に出てくる言葉で、もともとはドラッカーが提唱したビジネスにおける要素です。ドラッカーとは、ピーター・ドラッカーというオーストリアの経済学者で、「現代経営学の父」「経営学の神様」と呼ばれている人です。日本でも、2010年に「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら(もしドラ)」という小説により一大ブームが巻き起こったことで、覚えている人も多いのではないでしょうか。

「Will・Can・Must」の3つの単語は、それぞれ次のことを意味しています。

Will:自分のやりたいこと、なりたい姿
Can:自分にできること
Must:社会や企業などから求められていること、今やらなければならないこと

 

まずは、この3つの言葉の定義を覚えておきましょう。

 

「Will・Can・Must」の組み合わせで考えるフレームワーク

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Will・Can・Mustの3つの要素の組み合わせで、さまざまな方向性が見えてきます。 理想は、WillとCanとMustのすべての条件がそろっているケースです。 スポーツの第一線で活躍していた選手のほとんどがこのパターンに当てはまるでしょう。 例えば、プロ野球選手の場合

  • Will:野球をしたい、野球選手になりたい
  • Can:野球が得意、才能がある
  • Must:プロ球団から求められている

となります。
また、就職においても理想の形であると言えます。

  • Will:この仕事をしたい、この職業に就きたい
  • Can:この仕事に関する技術やスキルを持っている
  • Must:企業から求められている

3つの条件がすべてそろっていると採用の確率が高まるでしょう。しかし、3つの要素のうち2つしかそろわないことも多々あります。

例えば、WillとCanはあるけどMustがないのは、やりたいこと・なりたい職業などとできること・得意なことは一致しているけど需要がないケース。

就職難が続く現代はこのパターンが多いと言えます。

 

次に、MustとCanはあるけど、Willがないケース。

技術やスキルは持ち合わせていて、企業もそれを求めているけど、自分の気持的には特にやりたいわけではないというような場合が考えられます。このようなケースは、仕事にやりがいを見つけられるとうまく行く可能性が高いと言えるでしょう。

 

最後に、WillとMustはあるけどCanがないケース。

実は、スポーツ選手がセカンドキャリアを考える場合に、ネックになってくる可能性が高いパターンです。 次の項目で詳しく解説しましょう。

 

スポーツ選手のネックとなり得る「Will・Must」のパターン

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WillとMustはあるけどCanがないケースとは、なりたい職業があるし、やる気もある。企業からの募集もある。しかし、その仕事に関する技術やスキルが十分ではない、というような場合です。 このケースは、即戦力が求められる中途採用では厳しいものがありますが、新卒採用やポテンシャル採用なら可能性は十分にあると言えます。ポテンシャル採用とは、その人の持つポテンシャル(潜在能力)の可能性にかけて採用するという方法です。

例えばスポーツ選手の場合、次のような強みを持ち合わせていることが考えられます。

  • 負けたくない、最後まであきらめないという強い気持ちを持っている
  • 挫折しても乗り越えられる力を持っている
  • チームワーク能力が高い
  • コミュニケーション能力が高い
  • リーダーシップがある。チームをまとめたり、目標のために周囲を鼓舞したりする力がある
  • 行動力がある

 

これらの能力は、仕事をしていく上で企業に求められる能力です。逆に、どんなに技術や才能を持ち合わせていても、上記のような能力がかけていると仕事で成功する可能性は低くなります。 仕事に関する知識や技術、スキルなどは後からついてくるものです。ポテンシャルが高いとどんどん伸ばすことができ、仕事の成功につながる、という考え方です。

 

セカンドキャリア決めるために、まずはWillについて考えてみよう!

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セカンドキャリアを考えるには、まず、最初にWillをはっきりと自覚することがポイントです。 すでに、やってみたいことやなりたい職業、目標や自分の未来像を持っている人は、片っ端から書き出してみましょう。

この段階では、ひとつに絞る必要も現実的な要素も考える必要もありません。とにかく、やってみたいことや興味があることを書き出してみてください。 具体的になりたい職業が見つからないという人も、現実問題を抜きにして、やってみたことや興味のある仕事などをいろいろ挙げてみましょう。

 

Canを知るために強みと弱みの自己分析を行う

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自分にできることを考えたとき、自分の強みと弱みを知れば自ずと見えてきます。Willの時と同じように、強みと弱みに分けて、それぞれに当てはまる要素を片っ端から紙に書き出してみましょう。

 

まずは、自分の得意なことと苦手なこと、もしくは好きなことと嫌いなことについて考えて、思いついたものをどんどん書き出してください。 次に、学生時代やスポーツ人生を振り返って、成功体験、失敗経験、挫折や壁を乗り越えた方法などを思い出してみましょう。その時、成功できた要素、挫折や壁を乗り越えられた要素は自分の強みです。逆に、失敗や挫折の原因、こうしていればもっとうまく行ったのにという反省点などは自分の弱みとして捉えることができます。

最後に、自分が周りから言われた言葉を思い出してみましょう。褒められたこと、怒られたことをいろいろ思い出して、強みと弱みに分けていきます。自分では気づかないけど、人からはこう見えているということもあるはずです。客観的な強みと弱みを知ることは、新しい自分を発見する「気づき」になるきっかけにもなります。

最後にMustを洗い出してWill・Canと照らし合わせる

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Canがはっきりしてくると、無造作に書きだしたWillのなかから、可能性の高いものや優先順位などが少しずつ見えてくると思います。Willのなかから目指せそうなものがある程度絞れたら、最後にMustの要素を加えてみましょう。Mustは、自分に関係することと企業が求めているものの2つの側面で考えることがポイントです。

自分にとってのMustは主に2つ。Willを実現するためにCanで不足していることと、実際の生活環境に関わることです。まず前者をはっきりさせることで、Willを叶えるために伸ばすべき要素が見えてきます。また、後者は生活に関わる現実問題のことです。子どもの教育やローンの返済などでいつどのくらいお金が必要かということや、通勤や就労時間の問題点などを考えると、Willのなかでの優先順位が見えてくるでしょう。

企業が求めているMustは、募集要項を見たり、説明会に参加したりして探ってみるとよいでしょう。ある程度方向性を絞ってからでも良いですし、候補を絞るために企業のMustを知るのでもかまいません。

まとめ

Will・Can・Mustについてひとつずつ順番に探っていくと、今まで考えていなかった自分の姿に「気づく」ことができます。大切なのは必ず紙に書き出すこと。設計図のように目で見ることでよりはっきりと自覚することができるでしょう。