セカンドキャリアの前に!スポーツ選手の節税対策の2つのコツ


セカンドキャリアを見据えて生活資金や事業資金などを貯めておくためには、スポーツ選手として現役時代のうちに、税金対策をしておくことが大切です。そこで、スポーツ選手が知っておきたい節税のコツをまとめました。

スポーツ選手の所得は何に該当する?

20161215_131_02

スポーツ選手の収入形態はさまざまです。企業に正社員などとして勤めているスポーツ選手は、「会社員=給与所得者」ですので、給与やボーナスから一定の給与所得控除が引かれた額が、給与所得になります。

一方、プロのスポーツ選手の多くは個人事業主ですので、収入から必要経費を引いたものが、事業所得です。収入には、チームとの契約による契約金や年棒、出場給、あるいは、賞金、スポンサー収入、講演料、テレビ番組やイベントの出演料などがあります。ただし、スポーツで得た収入をもとにマンション経営をしていたら、不動産所得になります。

必要経費は関連するものを正しく申告しよう

20161215_131_03

プロのスポーツ選手の場合、収入から必要経費を引いた残りが事業所得となりますので、同じ収入でも必要経費が多いほど所得が減るため、支払う税金は少なくなります。しかし、なんでも必要経費に入れられるというものではありません。経費に当たらないものを盛り込んで確定申告したことが、後に税務調査で明らかになった場合には、追徴課税の対象になります。追徴課税では、過少申告税や延滞税、あるいは、事実を隠ぺいしていたり、ねつ造していたりした場合には、重加算税が課されます。

たとえば、スポーツ選手の場合、遠征の交通費や宿泊費、体づくりのためのサプリメント代、トレーナー・マッサージなどのメンテナンス代、スポーツウェア購入費用などは、経費になりますが、日頃の食費や私的な旅行は経費にはなりません。スポーツ選手としての事業に関わるものだけを経費としてきちんと分けましょう。

スポーツ選手の税金対策のコツ1:平均課税制度を利用する

20161215_131_04

スポーツ選手は、契約金を得たことで大幅に収入が増加した年は、平均課税制度を利用することで節税ができます。

平均課税が利用できるケースとは

平均課税制度が利用できるのは、変動所得に該当するケースと臨時所得に該当するケースで、スポーツ選手の場合は臨時所得に該当したときです。ライターや作家、作曲家などが印税や原稿料、作曲料などで急激に所得が増えた場合は変動所得に該当します。臨時所得はプロ野球選手などが3年以上の専属契約を結んだときに、報酬の2年分以上の契約金を得た場合のほか、基準を満たした不動産所得の権利金などです。

さらに、平均課税制度を利用するためには、所得の額に条件が設けられています。平均課税が利用できるのは、変動所得と臨時所得の合計が、総所得の20%以上の場合になります。前年や前々年に変動所得や臨時所得があった場合には、前年と前々年の変動所得や臨時所得の合計の50%よりも多いことも条件です。

平均課税の計算方法し

日本は累進課税のため、所得に応じて税率が上がります。変動所得や臨時所得は5年間で受け取ったとみなして、変動所得を5で割った場合の所得に応じた税率で計算できるため、低い税率での計算となり、節税効果があります。

スポーツ選手の税金対策のコツ2:会社を設立する

20161215_131_05

プロのスポーツ選手の場合、個人事業主として活動するほかに、本人または親族がマネージメント会社を設立して、給与所得を得るという方法もあります。会社設立による節税効果を挙げていきます。

給与所得控除が受けられる

個人事業主の場合、収入から必要経費を引いた分を事業所得として、所得税などが計算されます。会社から給与の支払いを受ける形にすることで、給与所得控除を受けられます。さらに、法人税の税率は中小企業の800万円までの所得は15%、最高でも23.4%です。所得税は累進課税で最高税率が45%のため、会社を設立した方が安くなるケースがあります。

9年間の欠損金の繰り越し

個人と法人では赤字となった場合に、翌年以降の所得から控除できる期間が異なります。個人事業主の場合、損失の繰り越しができるのは青色申告の場合で3年間ですが、会社を設立し青色申告法人になると、9年間欠損金の繰り越しができます。

出張手当などを支給可能

個人事業主の場合、出張に対する日当を経費とすることはできませんが、会社を設立し法人になると、出張費の支払い規定を設ければ、経営者を含めて出張手当の支給が可能です。

税金対策での会社設立の注意点とは

20161215_131_06

スポーツ選手の場合、マネージメント会社として法人を設立することが考えられます。球団などのチームと専属契約を結んでいる場合、これまで個人事業主として受け取っていた年棒を設立したマネージメント会社を通じて受け取ることができるか、確認することが必要です。また、マネージメント会社としての実態が伴わず、単に節税を目的として伝票のやり取りをしている場合、税務署にペーパーカンパニーとして認定される恐れがあります。

会社の設立には費用が掛かるため、会社を設立して、節税効果のある収入のラインは、個々の実態によって異なりますが、2500万円以上の収入がある場合が目安とされています。

まとめ

個人事業主のスポーツ選手の場合、1年間の所得を確定申告しますが、経費にあたるものを理解して、正しく節税をしましょう。収入が一定額以上ある場合は、会社の設立も検討材料です。競技に集中するためには、税理士へ委託することも選択肢となります。

引用元:国税庁・税務署HP

(2016年4月現在)

関連記事