スポーツ選手のダブルワークにマイナンバーで知っておきたいこと


マイナンバー制度が導入され、国民は1人に1つのマイナンバーが付与されています。スポーツ選手でもマイナンバーを届け出る機会がありますので、ここではマイナンバー制度についておさらいをし、その制度について理解をしておきましょう。

今さら聞けないマイナンバー制度とは?

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2016年に導入されたマイナンバー制度は、国民ひとりひとりが12桁の個別の管理番号を割り振られ、それにより国が社会保障や行政の処理、個人情報の管理などを行うものです。
マイナンバーが使われるのは、社会保障、税金、災害対策の分野に関連するものがあります。
マイナンバー制度を導入する行政側のメリットとしては、国や地方自治体の間での書類の確認作業、情報の照合などの手間やコストが大幅に削減できることです。また、社会保障に関しては番号による一元管理で不正受給を防止し、本当に生活に困っている人に適切な支援ができることが挙げられます。

マイナンバー制度は、国民にとってどんなメリットがあるのでしょうか。
これまで、社会保障や税金などの申請手続きをする場合、住んでいる市区町村の役所、社会保険事務所、税務署など数か所を回って書類を入手しなければ役所に提出できませんでしたが、マイナンバー制度の導入で、申請時に添付しなければならない書類が削減され、手続きが簡単になりました。学生ならアルバイトの勤務先に、あるいは奨学金申請の際に、主婦の場合はパート勤務先に、また出産の時の一時金請求や育休取得の際、会社員は扶養控除申告書などの税金関係の書類を提出する際、健康保険・雇用保険・年金手続きの際、そして高齢者は年金給付の手続きや介護保険などの申請の際に使われます。
このマイナンバー制度の導入で一般に想定された影響と、スポーツ選手のダブルワークにどう関わってくるのかを見ていきたいと思います。

マイナンバー制度がどのような影響をもたらすか

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マイナンバー制度の開始が決まった際、一般の人たちにはどのような影響があるかという話題で盛り上がりました。その際に語られていたマイナンバー制度のデメリットについて考えてみましょう。

1.情報流出でマイナンバーが他人に知られてしまう

マイナンバーが他人に知られた場合、管理されている情報がすべて知られてしまうような心配はあるのでしょうか。マイナンバー制度では、制度面とシステム面の両方で、個人情報流出を予防するための措置が二重三重に張り巡らされています。
マイナンバーで一か所の機関が特定個人情報を「一元管理」する方法は取られておらず、個人情報が必要になった時だけ情報が連携され、それ以外はばらばらに管理されている「分散管理」方法を取っています。そのため、万が一マイナンバーが知られてもその機関が把握している情報だけで被害に留められるようになっており、すべての特定個人情報が知られるという心配はありません。

2.なりすまし犯罪により情報が洩れる被害

アメリカでは日本のマイナンバー制度のような社会保障番号による一括管理が古くから行われており、口頭で社会保障番号を言うだけで本人確認が成立するようなシステムになっています。これではなりすましの被害が発生することから、日本ではマイナンバーだけでの確認は行わず、個人番号カード、運転免許証などを利用して本人確認を行い、なりすまし被害を防ぐようにしています。

副業をする上でマイナンバー制度がどう関わってくるのか?

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マイナンバー制度導入が決まった際、副業をしていることが会社に発覚するか?という点が一部で話題になりました。たとえばサラリーマンで社内規定によって副業が禁止とされている企業に勤めながら、会社に内緒で副業をしていた場合、本業の勤務先と副業の勤務先の双方にマイナンバーカードを提出すると、本業の勤務先に副業が発覚してしまうのではないか?という心配の声があがったのです。
これには、いろいろ誤解があります。実際はマイナンバーによって勤務先に副業をしていることが分かってしまうわけではないのです。もちろん、税務署はマイナンバーにより照合が簡単にできますので、税務署には本業と副業をしていることは把握されますが、名前と住所で照合すれば分かることなのでマイナンバー制度を導入した影響ではありません。
次に勤務先についてですが、こちらも元々、副業が給与所得の場合は副業の勤務先から支払調書が税務署に行き、副業分の所得にかかる住民税も加算されて本業の企業の給与から引かれていました。例えば、給与所得が500万円の社員が(副業の給与300万円もあわせ)800万円分の住民税を払っていたら、給与計算の担当者が「多い」と気づき、副業として300万円あることは推測することが可能でした。
以上のことから、「マイナンバー導入が原因で副業が発覚する」というのは誤解であり、事務効率化という点で便利になったと理解しましょう。

スポーツ選手がマイナンバーを使うのはどんな時?

スポーツ選手には、プロ、アマで収入を得る方法が違うため、マイナンバーの届け出も変わってきます。

1.プロ選手

プロ選手は、企業とプロ契約を結んでおり個人事業主として活動しています。業務委託契約を結んでいるため、企業とは雇用関係にはありません。確定申告をして税金を払い、国民年金や国民健康保険にも自分で加入します。
プロ選手の場合は、確定申告や国民年金、国民健康保険に加入の際にマイナンバーを申告する必要があります。また、マネジメント会社を通じてプロ契約を行っている場合は、マネジメント会社にマイナンバーを届ける必要もあります。

2.アマチュア選手

どこにも属さず、生活費や遠征費などを自分で稼ぎながらスポーツを続けている選手です。何か所も掛け持ちでアルバイトをしている選手もいます。この場合、勤務先の他、国民年金や国民健康保険を自分で加入する必要がありますので、加入の際にマイナンバーを申告する必要があります。

3.企業チームの社員選手

企業に所属して給与を受け取って選手として活動しています。企業とは雇用関係があり、選手引退後もそのまま企業に残って社員として働くことも可能です。
社員選手の場合は、一般のサラリーマンと同じようにマイナンバーを勤務先に届け出ることにより、税金、社会保険、健康保険などの手続きを会社で行うこととなります。

1のプロ選手は契約で問題ない場合に、また2のアマチュア選手が行っているアルバイトでは制限がないケースが多いため仕事を掛け持ちで行うことが可能です。
問題は3の社員選手で、もし社内規定に副業禁止とあれば副業はできません

スポーツ選手が副業でめざすものは?

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スポーツ選手の副業にはどのような目的があるのでしょうか。
アマチュア選手では、競技を続けていくためや、生計を立てるために働くということが挙げられます。時にプロ契約をしていても、その契約金では足りずに副業をしている選手もいます。また遠征費用や合宿費用など、スポーツを続ける上で必要な資金を副業で稼ぐという選手もいます。

日本代表でセリエA・ACミラン所属の本田圭佑選手は、スポーツ選手のマネジメネントやサッカースクール事業のコンサルティングを行うHONDA ESTILO株式会社という会社を経営する経営者です。2015年6月にはオーストリア3部リーグのサッカークラブSVホルンの経営にも参入しています。

スポーツ選手のピークは、20代から30代前半にかけてであり、30代でほとんどの選手が現役生活を終えますが、日本人の平均寿命から見ると引退後の人生は40~50年あります。引退後の40~50年を、新たな職業に就いて充実した第二の人生とするために、セカンドキャリアを現役のうちから考えておく必要性がうたわれています。

スポーツ選手が副業をするのも、生活のためや競技にかかる資金の貯蓄のためという目的の他に、セカンドキャリアへの準備というケースもあります。この本田選手の会社経営も、日本サッカーの発展のためであると同時に、本田選手自身のセカンドキャリア構築のためにあるのかもしれません。

まとめ

マイナンバー制度がはじまり、スポーツ選手にも関わりがあることから、その制度についてご紹介しました。副業をしようか考えている場合は、自分がどのような契約を結んでいて、どのような制限があるかをよく確認してから始めましょう。

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