スポーツ選手がビジネスに活かせるスキル「コンピテンシー」


一般的に、スポーツ選手や体育会系学生の強みとして、目標達成志向や組織適応力、礼儀正しさなど が挙げられることが多いのではないでしょうか。今回は、スポーツ選手がビジネスに活かせるもう一つの強み、「コンピテンシー」について紹介します。

 

スポーツ選手であるからこその「強み」って?

現在のスポーツキャリア・そして将来のセカンドキャリアについて考える際、選手としての経験や強み・課題などを洗い出して、今の自分にはどのようなスキルがあるのかを理解しておく必要があります。

独立行政法人 日本スポーツ振興センターは「アスリートのキャリア形成支援方策の在り方に関する調査研究 」の中で、スポーツ選手であるからこその「強み」と「課題」について、体育大学の学生と一般の大学生とを比較検証。主観やイメージではなく、統計データなどの科学的根拠(エビデンス)に基づいて実証する研究を行いました。

その結果、スポーツ選手は社会人としての即戦力を担う力(コンピテンシー)、つまり、協働力・感情抑制力・自信創出力・行動持続力など、対人基礎力や対自己基礎力が優れていることが明らかになりました。

また、問題解決に欠かせない論理的思考(リテラシー)、つまり情報分析力・言語処理能力・非言語処理能力などは、一般の大学生の方が優れているとも報告されています。

 

成績優秀者に共通して見られる行動特性「コンピテンシー」

コンピテンシーとは 、ある職務や役割において活躍し成果をあげる成績優秀者(ハイパフォーマー)に共通して見られる、行動や考え方の特性のこと。いわゆる学力の高さとは異なり、他のメンバーとは違った行動・思考特性を持つことから、高い業績をあげている傾向があるとされています。

コンピテンシーの傾向を知るためには、まず、ハイパフォーマーたちの知識やスキル、行動力、ノウハウ、才能などを細かく観察(ヒアリング)します。次に、集められた要素の中からどの行動特性によって”できる人材”へと成長できたのかを抽出。これらを言語化することで、「高い成果を生み出してきた行動・思考特性の成功モデル」として確立させます。

そして、この成功モデルをツールとして社内で周知することで、組織全体の行動の質を上げていこうという考え方です。

 

「コンピテンシー」はビジネスだけでなく、スポーツでも活用できる!

では、一体どのような行動・思考特性が、コンピテンシーモデルとなり得るのでしょうか。イメージが湧きやすいよう、接客業での具体的な例をご紹介します。

  • 身だしなみをきちんとしている
  • 忙しくても笑顔を絶やさない
  • いつでも商品のおすすめポイントを説明できる
  • 競合他社商品に対する情報収集を常に行っている
  • 二度目の来店時に名前を読んであいさつする etc.

これらを見て、「当たり前のことばかりでは?」と感じた方もいるかもしれません。ですが、自分の当たり前が、他人にとっても同じように当たり前であるとは限りません。言語化することで他人もその特性を真似ることができ、自分も繰り返し成果を出し続けるためのヒントを得られるので、「組織全体として結果を出せる」可能性が高くなるのです。

 

もちろん、コンピテンシーの考え方はスポーツの現場でも応用可能です。目標とするプレーヤーやチームの行動・思考特性をモデル化して取り入れることで、成長するヒントを得られるでしょう。

 

「論理的思考(リテラシー)」を磨けば、説得力がアップする!

先ほど紹介した日本スポーツ振興センターの調査研究では、多くのスポーツ選手には社会人としての即戦力を担うコンピテンシーが備わっているものの、問題解決に欠かせない論理的思考(リテラシー)を訓練する必要があるとも述べられています。

情報分析力・言語処理能力をはじめとする論理的思考は「ロジカルシンキング」 とも呼ばれています。問題点を整理する、要点をわかりやすく伝えるetc. を意識すると発言に説得力を持たせることができるので、ビジネス・スポーツどちらの現場でも役立つでしょう。

 

日常生活の中で「考えるクセ」をつけるところから始めよう

「論理的」という言葉を聞くだけで苦手意識を持つ方がいるかもしれませんが、日常生活の中で考えるクセをつけると、論理的思考を身につけることができます。

「なぜ?」の視点を繰り返し持つ(問題点の整理)

<例> 「なぜ」接客の仕事を始めたのか →人と会話するのが好きだから →「なぜ」好きなのか → 自分では思いつかない発想を知ることができるから→「なぜ」知りたいのか → …

結論から話す(要点をわかりやすく)

<例> おすすめはこの商品です。なぜなら、日本製で丈夫ですし、売り上げランキングで2か月連続1位でした。おかげ様で一度完売になりましたが、その後も問い合わせが多く、追加生産となったんです。

あらゆることに疑問を持って分析し、伝わりやすく分かりやすい話し方を意識する。これらの「考えるクセ」を身につけると、論理的思考力の訓練になります。さらに詳しく知りたい方は、パソナの社会人講座などでも学ぶことが可能です。

参考URL

 

まとめ

スポーツキャリアで培っているコンピテンシーという強みを活かしながら、日常生活の中で論理的思考のトレーニングを行う。これら両方のスキルを磨き続けることで、現役時代はもちろん、セカンドキャリアでも結果を出せるチャンスが広がるでしょう。ぜひ意識してみてくださいね。

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