無意識で使ってしまいがちな「体育会・学生敬語」


体育会系の部活動の世界では、常に先輩・後輩といった上下関係がしっかりとしているため、否が応でも敬語が身に付きます。しかし、敬語をきちんと勉強した訳ではないため、誤った使い方をしているという人も多いのでは? 学生時代に使っていた敬語はあくまで「学生敬語」。ビジネスシーンで使われる敬語とは異なることを理解し、社会人として正しい敬語を身に付けましょう。

 

敬語の種類について

敬語は大きく分けて、「尊敬語」「丁寧語」「謙譲語」の3種類があります。まずは、それぞれの違いを確認しておきましょう。

尊敬語

主に目上の人に対して使う表現で、文字通り相手を敬う意味合いの言葉。会社の上司や取引先の相手などに対して「相手を立てるとき」に使うもの。目上の人が主語になる時に、動詞や形容詞、時には名詞を変化させて使用します。

丁寧語

丁寧な言葉遣いで聞き手(相手)に直接敬意を表す敬語。語尾を「~です」「~ます」「~ございます」とするのが、主な特徴です。

謙譲語

自分自身や自分の行動を謙遜してへり下ることで、相手を高めて敬う表現方法。「自分を下げることで相手を立たせる」という日本特有の敬語です。自分が主語(主体)になった際に使います。

具体例一覧

基本形 尊敬語 丁寧語 謙譲語
見る ご覧になる 見ます 拝見する
言う おっしゃる 言います 申し上げる
する される
なさる
します いたす
させていただく
行く いらっしゃる
おいでになる
行きます うかがう
来る いらっしゃる
おいでになる
お見えになる
来ます 参る
食べる 召し上がる
おあがりになる
食べます いただく
頂戴する
聞く お聞きになる 聞きます 拝聴する
うかがう
忙しい お忙しい    
会社 貴社
(書き言葉で
相手の会社を敬う場合)
御社
(話し言葉で
相手の会社を敬う場合)
  弊社
貴店   弊店

敬語の使い方の難点とは?

 「尊敬語」と「謙譲語」はどちらも目上の人に対して使う敬語のため、区別がつきにくいと思われがちですが、決定的な違いがあります。それは主体が異なるということです。「尊敬語」は相手が主体、「謙譲語」は自分が主体になります。相手の動作に対して使うのが「尊敬語」、自分の動作に対して使うのが「謙譲語」と覚えておくとよいでしょう。

また、敬語の難しさの一つに、社内と社外では敬語を使い分ける必要があるという点があります。社内ではもちろん目上にあたる上司に敬語を使うのは当たり前。ただし、取引先の人やお客様に対して、自分の上司について話す場合には敬語を使う必要はありません。電話などで、「○○部長はいらっしゃいますか?」と聞かれたら「○○はただいま外出しております」または、「部長の○○は外出しております」が正しい使い方です。

さらに、丁寧な敬語を使おうとするあまり、使ってしまいがちなのが「二重敬語」。一つの単語に同じ種類の敬語を二重に使った誤りです。

誤)社長がおっしゃられていました ⇒ 正)社長がおっしゃっていました
誤)社長がいらっしゃられました ⇒  正)社長がいらっしゃいました
誤)社長がお召し上がりになられました ⇒ 正)社長が召し上がりました

「おっしゃる」や「いらっしゃる」、「召し上がる」などすでに敬語になっているのに、頭に「お」を付けたり、「~れる」という尊敬語を加えてしまうのが「二重敬語」です。まわりくどい印象を与えてしまうので、注意しましょう。

 

ついつい使ってしまう「体育会敬語」

 学生時代に使っていた敬語は、ビジネスシーンで活用できるものばかりではありません。特に「うっす」、「あざっす」などの挨拶や返事、語尾の「です・ます」を崩した「~っす」は、使い慣れ過ぎて、うっかり出てしまうなんてこともあるのでは? 「おはようございます」、「ありがとうございます」、「○○です」、「○○します」など、当たり前の言葉ですが、しっかり話すようにしまよう。また、自分を表現する際は、「僕・俺・私」ではなく、「わたくし」を使うのが常識です。

 

「バイト敬語」にも落とし穴が!?

  「体育会敬語」同様、アルバイト時代などに使っていた「バイト敬語」にも、間違った敬語が含まれています。具体的には下記のような事例が挙げられます。

誤)ご注文は○○でよろしかったでしょうか? ⇒ 正)ご注文は○○でよろしいでしょうか?
解説:目の前で、たった今確認していることを過去形にするのは誤りです。

誤)○○はどれにいたしますか? ⇒ 正)○○はどちらになさいますか?
解説:「いたす」は「する」の謙譲語。自分が主体でへりくだるときに使う言葉なので、お客様や目上の人に使うのはNGです。尊敬語の「なさる」を使うのが正しい表現。

誤)了解しました ⇒ 正)承知しました、かしこまりました
解説:「了解しました」は丁寧な使い方に見えますが、同等もしくは目下の人に使う言葉です。お客様や目上の人には「承知しました・かしこまりました」が正しい使い方です。

誤)お休みさせていただく ⇒ 正)お休みします、お休みいたします
解説:「させていただく」は一見より丁寧な言葉のようですが、自分の強い意志を表すことばなので、この場合は不適切。「お休みします・お休みいたします」が正しい言い方です。頭に「ご迷惑をおかけしますが」といったクッション言葉などを添えると、よりビジネスシーンで活用できます。

誤)ご苦労さまです ⇒ 正)お疲れさまです
解説:「ご苦労さまです」は、敬意を払った言葉と思われがちですが、実際は目下の人に使う言葉です。「お疲れ様です」を使いましょう。

 

まとめ

正しい敬語で話すことは最低限のビジネスマナー。仕事の能力を高める以前の問題です。この機会にパソナのビジネスマナー講座を受講するのもおすすめですよ。

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