能力をフルに発揮するために。緊張感と上手につきあう方法


どれだけ練習を積み重ねていても、人は大事な試合やプレゼンテーションなど「ここぞ」というタイミングで緊張してしまうもの。一度しかない本番で、いつも通りもしくはそれ以上のパフォーマンスを発揮するため、緊張感と上手につきあうヒントをご紹介します。

 

そもそも、人はなぜ緊張するの?

私たちはなぜ緊張するのでしょうか。それは、「失敗したらどうしよう…」という不安や恐怖を抱いてしまうからではないでしょうか。「心配事の8~9割は起こらない」という研究結果もありますが、頭では理解できているつもりでも、心はついネガティブな方へと傾いてしまいます。

人は緊張して不安や恐怖を感じることでストレス状態となり、血液中に神経伝達物質「ノルアドレナリン」を分泌して交感神経を刺激し、以下のような状態が引き起こされます。
・心拍数、血圧、体温の上昇
・筋肉の硬直
・消化機能の抑制 など

ドキドキする、手のひらに汗をかく、声が震える、といった身体の変化は、このノルアドレナリンによって引き起こされているのです。

 

緊張するのは「自己防衛」反応でもある

このような身体の変化が起こるのは、動物としての「自己防衛」反応であるとの説があります。何が起こるかわからない緊張状態、例えば、敵から襲われるかもしれない、命を奪われるかもしれないというピンチに遭遇したとき、逃げるもしくは戦う必要があります。そこで、交感神経を刺激して、心拍や体温を上昇させることで運動機能を高め、身体を活動的な状態に変化させているのです。

つまり、緊張とは動物としての本能であり、人が生き伸びるために必要な生理的反応であるので、あなただけが特別に緊張しているのではないのです。

 

メンタルトレーニング=「緊張に適応する」訓練

このように、動悸が激しくなる、汗をかくなどの身体の変化を感じ、「マズい、あがっちゃダメ…!」と緊張を抑え込もうと意識してしまうと、自分の心理状態がクローズアップされ、ますます緊張感にとらわれてしまいます。

そこで必要となるのが「緊張に適応する」訓練、つまりメンタルトレーニングを積むことです。一流のアスリートやビジネスパーソンたちは一見、緊張とは無縁の存在のようですが、彼らは何度も本番を想定したリハーサルを繰り返すことで、緊張に身体を慣れさせているのです。それでは、自らを緊張に適応させるためのヒントをご紹介します。

緊張をポジティブに捉える

上でもお伝えした通り、緊張はあくまでも生理的な反応。「自分は今、交感神経が刺激され活動的な状態にあるのだなあ」と自分を客観視することで気持ちが落ちつきますので、「緊張しているからこそ良いパフォーマンスが発揮できるはず」と、ポジティブに捉えてみましょう。

緊張をほぐすための習慣(ルーティン)を作る

目を閉じて深呼吸をするなどのリラックス法はもちろん、試合前に○○を食べる、好きなアーティストの曲を聴く、お守りを握りしめるなど、緊張をほぐす自分だけの習慣を作っておきましょう。

「緊張していても成功した」という経験値をストックする

 超一流アーティストがライブリハーサルを繰り返し行っていたり、トップ経営者が何週間も前からスピーチの練習をしていたりと、本番と近い緊張状況に何度も身を置くことで不安を減らすことができます。緊張している自分をセルフモニタリングしつつ、その状況でも上手くできたという成功体験をストックし、本番への自信へとつなげます。

いわゆる「メンタルが強い」人物は、メンタルトレーニングによって緊張を飼いならすことで、緊張に適応できるようになっているのです。

 

超集中状態「ゾーン」に入るとは?

人は、緊張を超えた超集中状態になると、「相手の動きが止まって見えた」「雑音が聞こえなくなった」といった、単に調子が上がっているのではなく“特別な何か”が起こっているような感覚になることがあります。

この覚醒状態は「ゾーン」と呼ばれ、集中力が高まり、リラックスと緊張・興奮のバランスがうまく取れたときに起こりやすいとされています。「ゾーン」に入って高パフォーマンスを発揮するためにはやはり、緊張に飲み込まれないようメンタルトレーニングを積むことが必要なのです。

 

まとめ

緊張と上手につきあうためには、まずはしっかりと準備と練習を積み重ねて、本番と近い状態での成功体験をストックし、自分に自信をつけるメンタルトレーニングが必要です。そのうえで、ルーティンを取り入れて緊張に無理なく適応していけるよう、さまざまな方法を試してみてくださいね。

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