将来はオリンピック種目になる可能性も?! 世界で注目を集める「eスポーツ」とは


2018年8月、インドネシア・ジャカルタで開催されたアジア競技大会にて、「eスポーツ」がデモンストレーション競技(公開競技)として実施され、大きな話題となりました。2024年のパリオリンピックにおいては、パリオリンピック組織委員会も「eスポーツ」を競技種目として検討中、という話も出ています。最近では、日本のみならず世界中の各メディアでも特集が組まれるなど、注目を集める「eスポーツ」。今回は、そんな「eスポーツ」について紹介します。

 

そもそも「eスポーツ」って何?

「eスポーツ」とは「エレクトロニック・スポーツ(electronic sports)」の略称。さまざまなゲーム機を使って複数人のプレイヤーで対戦するゲームをスポーツとして捉え、「eスポーツ」と呼んでいます。2018年3月に総務省が公表したeスポーツ産業に関する調査研究報告書でも、定義について「『eスポーツ』とはパーソナルコンピューター(PC)ゲーム、家庭用ゲーム、モバイルゲームを用いて行う競技(スポーツ)である」と明記されています。

しかし、通常は身体運動を伴いながら勝敗を競うことをスポーツと総称していることから、手の操作が中心で身体を動かすことの少ない「eスポーツ」をスポーツと定義すべきか未だ多くの意見があり、今後も議論は続いていくと予想されます。とはいえ、機械の動力がメインの「モータースポーツ」のように、ヒト以外の動力を使ったスポーツも数々あるので、「eスポーツ」が“新しいスポーツ”として広く認知される時代が、そう遠くない未来にやってくるかもしれません。

「eスポーツ」の規模はどれくらい?

日本ではまだまだ馴染みがなく、その規模が分からないという方も多いのではないでしょうか。正確な競技人口の統計はないものの、世界ではもはや産業として成り立っていることが伺える市場規模の試算もあります。

米調査会社Newzooの試算によると、 2017年の「eスポーツ」市場規模は全世界で約700.9億円、「eスポーツ」のコンテンツを観戦・視聴するオーディエンスは約3億3,500万人にものぼるとされています。一方、株式会社Gzブレインの試算によると、2017年における日本国内の「eスポーツ」市場規模は5億円以下、観戦・視聴するオーディエンスは約158万人。日本ではいかに「eスポーツ」が普及しておらず、市場規模も小さいものかが分かります。かつてはさまざまなゲームを生み出し、“ゲーム大国”と呼ばれていた日本ですが、今では「eスポーツ後進国」となって世界から大きく遅れを取っています。

主なゲームのジャンル

無数にあるゲームの中で、競技性の高いジャンルのゲームが「eスポーツ」と呼ばれています。現在「eスポーツ」の大会では、主に下記4つのジャンルで競技が行われています。ここでは、各ジャンルの特徴をご紹介します。

マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ(MOBA)

「2チームに分かれ、各プレイヤーがキャラクターを操作し、味方プレイヤーと協力しながら敵チームの本拠地の破壊を目指して戦う」というゲーム内容を基本としたゲームジャンル。戦略性の高いチーム戦が楽しめるとあって、「eスポーツ」の中でも最も人気の高いジャンルです。

ファーストパーソン・シューター(FPS)

主に弾丸やレーザーなどの道具を用いて敵機を撃ち落とす「シューティングゲーム」の一種で、一人称視点でキャラクターを操作し、武器または素手などを用いて敵対するキャラクターを倒すゲームジャンル。一人称視点なので、基本的に画面に表示されるのはプレイヤーキャラクターの身体の一部(腕など)と武器・道具のみ。ちなみに、プレイヤーキャラクターの姿がまるごと画面に表示されるゲームは、「サードパーソン・シューター(TPS:第三者視点)」と呼ばれ、区別されています。

コレクタブルカードゲーム(CCG)

日本でも人気のトレーディングカードゲーム(TCG)をデジタル化し、オンラインで対戦できるようにしたゲームジャンル。2人以上の対戦形式で行われ、さまざまな効果が付与されたカードを駆使しながら相手のライフを「0」にするなど、ゲームにおける勝利条件の達成を目指して戦います。プレイヤー同士の高度な読み合いが見どころです。

格闘ゲーム

自分でセレクトしたキャラクターを操作して対戦相手のキャラクターとゲーム上で“格闘”し、打倒を目指すゲームジャンル。対戦相手のキャラクターの体力ゲージを「0」まで減らすとK.O.(ノックアウト)となり勝者となります。日本発祥のゲームタイトルも多いので、日本では一番馴染みのあるジャンルとも言えます。

その他にも、近頃はスマートフォンゲーム・モバイルゲームが台頭しており、人気のタイトルが「eスポーツ」の競技として採用され、国内で大規模な大会が開催されるまでに成長しています。

 

最近話題のプロゲーマーとは

プロゲーマーには明確な定義はありませんが、「ゲームをプレイすることにより報酬を受ける人」、つまりは「ゲーム大会で獲得した賞金やスポンサーとの契約料などを主な収入源に、ゲームを職業としている人」を指して呼ぶのが一般的なようです。

今回紹介した「eスポーツ」も世界各国で大会が開催され、優勝賞金が億を超えることも多々あります。プロゲーマーはこれらの大会を転戦して賞金を稼いだり、ゲームメーカーや「eスポーツ」を支援する企業とスポンサー契約し、プロプレイヤーとなって世界を舞台に活躍しています。日本でもプロゲーマーが誕生したり、2016年4月には、東京にある専門学校において日本初のプロゲーマー育成学科が開設されたりするなど、徐々にプロゲーマーが生まれる環境が整いつつあります。

 

まとめ

本当にスポーツなのか?という議論はまだまだ残るものの、今後も大きな成長が期待できる「eスポーツ」。運動が苦手だから身体を動かすスポーツはちょっと…という方や、ゲームが好きな方はぜひ「eスポーツ」にも注目してみてくださいね。