野球観戦でのファウルボールで怪我したら責任の所在はどうなる?


ファウルボールが飛んでくることは野球観戦につきものですが、怪我をしたら責任の所在はどこにあるのでしょうか。ホームランやファウルボールを獲ることを楽しみにしている人もいます。これまでは自己責任が基本でしたが、裁判で変わってくるかもしれません。

野球観戦ではファウルボールは自己責任?

20160819_100_2

野球ではスポーツの特性上、ファウルボールが飛んでくることはよくあることです。チケットの裏には、「試合や練習中にファウルボールが飛んできて当たっても、責任はとらない」旨が記載されています。また、ファウルボールに対する注意を促すアナウンスが時折流され、看板も掲示されるなど、注意喚起が行われて来ました。

裁判で争われたケースでも、観客でファウルボールが当たった観客が球団などを訴えた裁判では、請求が棄却されてきました。2007年3月に日本ハムファイターズの二軍の本拠地の鎌ケ谷市の野球場の外野席でボールが当たったため失明した判例、2008年5月にクリネックススタジアム宮城の内野席でボールが直撃したことで視力が低下した事例があります。そのため、「野球観戦ではファウルボールは自己責任」という考え方が定説となっていたのです。

日ハムへの判決でファウルボールの責任の所在への流れは変わる?

20160819_100_3

ところが、2010年8月に札幌ドームの日本ハムファイターズの試合に招待された小学生の保護者がファウルボールに当たった事例では、球団の責任を問う判例が出ています。一審では、打球を見ていなかった女性に2割の過失があるとしながらも、球場を所有する札幌市と日本ハムファイターズの責任を認め、約4200万円の支払いを命じたものでした。2審は2016年5月20日に下され、札幌市の責任は問われず、「野球の知識がほとんどない女性へ安全配慮が十分ではない」として、日本ハムファイターズに約3357万円の支払いを命じています。

女性側、球団側ともに控訴しなかったため、高裁判決が確定する形となりました。ファウルボールに球団側の責任が問われる可能性が出てきたのです。しかし、こ臨場感を出すために球場の防護ネットを外していることに対して、責任を問われたものではなく、具体的にどのような安全策を講じるべきなのか、不明瞭なものとなっています。

今後、野球観戦のあり方を巡って、球団側が安全対策を強化することが求められるかもしれません。

まとめ

野球観戦をする際には、ファウルボールが飛んでくる可能性に留意して、試合や場内のアナウンス、ホイッスルなどに耳を傾けましょう。野球観戦でのファウルボールで怪我したら、責任の所在は不明瞭ですので、自己防衛をすることが大切です。