リレーのバトンパス、ルールが分かるとますます面白くなる!


学校生活でリレーをしたことがある人は多いと思いますが、詳しいルールについてご存知ですか? 競技として体験した人以外は、バトンパスの受け渡し線からはみ出ないように前の走者からバトンをもらって、落とさないように走った後、次の走者にバトンを渡すという程度だったのではないでしょうか。現代のリレーは、走力とともに重要視されているのが、このバトンパス。ルールを詳しく知って、次に観戦する際に役立ててくださいね。

 

リレーと言えどもスタートが重要!

陸上の花形種目とも言えるリレーですが、スタートはバトンパス同様、重要なポイントとなります。今一度、スタートからおさらいしていきましょう。
※公益財団法人日本陸上競技連盟競技規則参照。適用種目は100m~400m(4×400mリレーを含む)

スタート位置(並び順)

① 予選(最初のラウンド)・・・最初のラウンドにおいては、競技者はあらかじめ決められた期間内に達成された当該種目の有効な記録のリスト順にシードを決定し、ジグザク配置によって予選の組を決めます。レーンについては、最初のラウンドの場合、抽選で決めるようになっています。
② 予選ラウンド以降・・・その前のラウンドの順位と記録に基づいて組み分け。上位グループ4チームが3、4、5、6レーンを、それに続く5・6番目の中位グループ2チームが7、8レーンを、下位グループ2チームが1、2レーンを抽選し、スタート位置が決められていきます。

不正スタート

スタートの発射音前に動いてしまうことを、通称“フライング”と呼んでいる人も多いと思いますが、正式名は「不正スタート」。英語では「false start(フォルス スタート)」と言います。現在は混成競技(十種競技など)を除き、一度の「不正スタート」でも失格となるため、より慎重にスタートを切る必要があります。

失格の基準

スタート前、最終の「用意」合図で姿勢をとった後は、信号器の発射音を聞くまでスタート動作を開始してはいけません。競技者が少しでも早く動作を開始したとスターターあるいはリコーラー(スターターの補助的役割)が判断したときは不正スタートとなり、失格の対象となります。リレーはチームごと失格となり競技続行が不可能に。

 

バトンパスのルールとは

そして、リレーの一番の醍醐味であるバトンパス。どのようなルールがあるのでしょうか。

バトンの受け渡し区間

バトンの受け渡し区間は「テイク・オーバー・ゾーン」と呼ばれます。「テイク・オーバー・ゾーン」は、各区間のセンターラインの前後10mのところにラインが引かれ、この合計20mの範囲内であれば、どこでバトンの受け渡しを行ってもよいルールとなっています。その中で行うバトンパスは、次の走者がバトンに触った時点から、バトンを渡す前の走者の手から離れ次走者の手へ渡り、唯一のバトン保持者となった瞬間に成立します。

ポイントは”バトンの位置”で決まるということ。たとえ選手の身体が、「テイク・オーバー・ゾーン」からはみ出していても、バトンが「テイク・オーバー・ゾーン」内にあれば違反にはなりません。

落としたバトンの拾い方

バトンパス以前に落した場合、落とした走者自身がバトンを拾って継続しなければなりません。この場合、走者は距離が短くならないことを条件にバトンを拾うために自分のレーンから離れてもよいとされています。加えて、そのような状況でバトンを落としたとき、バトンが横や進行方向(フィニッシュラインの先も含む)に転がってしまった場合は、拾い上げた後、走者はバトンを落とした地点に戻ってレースを再開しなければなりません。

「テイク・オーバー・ゾーン」内でバトンパス行為が始まってからは、前走者の手から次走者にバトンが触れた後、次走者が唯一のバトン保持者になった状態になるまでの間でバトンが落下したのであれば、前走者・次走者どちらが拾ってもOK。また、落としたバトンが他のレーンに転がり出たときは、他のレーンの選手の妨害をしないように拾い、バトンが転がり出たところから自分のレーンに戻れば、再開させることも可能です。 これらを満たせば失格にはなりません。

 

どちらのメリットを取るかが鍵!

最も重要なバトンパスには主に「オーバーハンドパス」と「アンダーハンドパス」があります。それぞれに特徴があり、メリット・デメリットがあるので見てみましょう。

オーバーハンドパス

受け手・渡し手がそれぞれ大きく手を伸ばして受け渡しする形のバトンパスです。学校生活の運動会などで行われていたのがこちらになります。世界的にも、未だこちらが主流。

<メリット>
・両者が腕を伸ばすことによって、区間ごとにお互いの腕の長さ分=約1.5〜2m走らなくていい距離(利得距離)が生まれ、記録を伸ばすことができる。
・渡し手が比較的減速せずに受け手にパスを渡せる。

<デメリット>
・受け手がバトンをもらう際、後方に腕を高く上げなければならず、窮屈な姿勢で加速し始めなければなりません。

アンダーハンドパス

受け手が走行中の腕ふりに近い形で腕を下方向に出しながら手のひらを地面に向け、渡し手がそこに下から上の方向へ差し出すような形。”パスを渡す”というよりも、”パスを収める”イメージで行います。
※日本代表のリレーチームはこちらを採用(2017年12月時点)

<メリット>
・受け手がフォームをあまり崩す事なくパスが受け取れるため、スムーズな加速が可能。

<デメリット>
・受け手と渡し手が近づいてのパスになるため、オーバーハンドのような距離(利得距離)が稼げない。

距離を稼ぐか、スムーズな加速か、どちらがよいかに答えはありません。各チームの適正により大きく異なる結果となるようです。

 

まとめ

巧みな「アンダーハンドパス」の“技術力”で、走力のみの記録では敵わないとされる強豪国にも勝ち、全世界から注目を集めている日本のリレー男子。これらの詳しいルールを知っていると、それぞれのチームのバトンパスにも注目が行き、より観戦が楽しくなりますよ!

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